Contents

  • 1. 設置の意義
  • 2. 事業の経緯
    • 2-1. これまでの経緯
    • 2-2. 委託事業の開始
    • 2-3. 補助事業への移行
  • 3. 実験装置の検討
    • 3-1. 検討体制
    • 3-2. 活動内容

1. 設置の意義

新試験研究炉は、「もんじゅ」サイトを活用した新たな原子力研究・人材育成拠点の中核的機能を果
たす役割を持ち、様々な革新的研究やイノベーション創出への貢献が期待されます。

2. 事業の経緯

2-1. 事業開始までの経緯

新たな試験研究炉を設置の決定

平成28年12月の原子力関係閣僚会議において、「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針を決定。「もんじゅ」を廃止措置する旨の政府方針を決定した際、将来的に「もんじゅ」サイトを活用し、国は将来的に「もんじゅサイトに新たな試験研究炉を設置し、我が国の今後の原子力研究 や人材育成を支える基盤となる中核的拠点となるよう位置付ける」ことが示される。

内閣官房:原子力関係閣僚会議議事概要

文部科学省における炉型の絞り込み

平成29年度より設置すべき炉型等の概念設計に向けた調査を実施し、検討の結果、
1.西日本における原子力の研究開発・人材育成の中核的拠点としてふさわしい機能の実現。
2.地元振興への貢献。
の観点から中性子ビーム利用を主目的とした「中出力炉(出力1万kw未満)」に絞り込む。令和2年度より概念設計に着手し、令和4年度中に詳細設計を開始する予定となった。

文部科学省:調査報告書
文部科学省:「もんじゅ」サイトに設置する試験研究炉の炉型及び今後の検討の進め方について

建設候補地の選定

文部科学省は、委託調査により炉型候補を複数選定し、地元(福井県・敦賀市)の意見聴取を経て、令和2年5月に文部科学省の原子力科学技術委員会原子力研究開発・基盤・人材作業部会に中性子ビーム利用を主目的とした中出力炉が最も適切であること、また、もんじゅサイト内の建設候補地として想定する地点について示し、了承された。

文部科学省:原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会議事録

文部科学省による公募

令和2年9月、委託事業「もんじゅサイトに設置する新たな試験研究炉の概念設計及び運営の在り方検討」の委託先を公募。

委託事業者の決定

令和2年11月、原子力機構・京都大学・福井大学を、委託事業の中核的機関として採択。

文部科学省:「もんじゅサイトに設置する新たな試験研究炉の概念設計及び運営の在り方検討」の公募の採択機関の決定について  

今後の検討体制

今後の検討の進め方としては、

「試験研究炉の着実な設計・設置・運転」
「幅広い関係機関が利用出来るような試験研究炉の運営」
「地元関係機関との連携構築」

の3つの観点において知見・経験・能力を有する少数の研究機関・大学が、適切な役割分担のもと連携した体制を構築し、これを中核的機関として位置付け、概念設計及び運営の在り方検討を実施することが適切とされた。

2-2. 委託事業の開始

事業の受託

事業名もんじゅサイトに設置する新たな試験研究炉の概念設計及び運営の在り方検討
事業期間令和2年度から令和4年度までの実施の見通しで開始。
事業内容(1)コンソーシアムの構築 (2)運営のあり方検討 (3)概念設計

文科省委託事業概要

本事業は、下記の三者が受託することとなった。三者の主担当の業務は下記の通り

原子力機構:「試験研究炉の設計・設置・運転」
京都大学:「幅広い利用運営」
福井大学:「地元関係機関との連携構築」

各々の主担当業務において主導的な役割を果たすとともに、他の機関の主担当業務についても相互に関与しつつ、全体として整合ある効率的な業務推進を行うこととした。また、三者の実施責任者等で構成する「全体統括チーム」を立ち上げ、全体調整、進捗管理、三者間での情報共有等を行い、事業全体のマネジメントを行うこととした。

2-3. 補助事業への移行

令和5年度以降、本事業は原子力機構を実施主体とする補助事業となり、引き続き原子力機構・京都大学・福井大学の三者が連携して推進することとなった。

3. 実験装置の検討

3-1. 検討体制

タスクフォース

各分野の第一線で研究を担う専門家の協力のもと、タスクフォース(TF)を実験装置ごとに編成し、装置整備の検討を行っています。

タスクフォース一覧

小角散乱単結晶回折
粉末回折イメージング
放射化分析/RI製造反射率
陽電子ビーム材料照射
生物照射三軸分光
素粒子原子核ビーム輸送制御
高分解能装置メスバウアー分光
NTD-Si重水素化

3-2. 活動内容

概要

次の項目を活動の二本柱とし、並行して取り組んでいます。

  • 装置提案に向けた調査検討:装置の科学的・社会的意義、装置の概要・仕様、ユーティリティ、建設年次計画等を検討
  • 技術継承・人材育成を視野に入れた実作業:既存の中性子施設等を利用した装置開発、技術開発、解析手法の高度化を実施

既存施設を利用した装置・技術の開発

新試験研究炉の稼働開始までには⻑期を要するため、

  • 中性子利用に関連する学術・技術の確実な継承・発展
  • 実験装置の設置や運用に必要な人材の確保・育成
  • 関連コミュニティからの継続的な関心の喚起

のような課題に対し、既存施設の協力を得て新技術やプロトタイプ装置の開発を実施しています。

開発課題一覧(令和7年度)

タスクフォースにおいて、次のような開発を行っています。

単結晶回折:中性子単結晶回折装置設置に向けた測定技術、解析手法の研究・開発
ビーム輸送・制御:低速中性子ビーム輸送の高度化に向けた基盤整備I
高分解能装置:冷中性子源を活用した高エネルギー分解能装置の検討
反射率:中性子反射率装置に関わる技術開発、調査
材料照射:新試験研究炉での照射実験の利用促進を目的としたシンプルで効率的な照射キャプセルの開発
陽電子ビーム:原子炉ベース低速陽電子ビームの高強度化に関する研究
イメージング:中性子イメージング技術の高度化
粉末回折:中性子の環境理工学応用のための高温高圧水反応計測システム開発
メスバウアー分光:新研究試験炉に向けたメスバウアー分光システムの高度化研究
放射化分析/RI製造:中性子放射化分析法の利用拡大に向けた自動化システムの開発
三軸分光:高効率非弾性散乱装置の検討および予備開発
素粒子原子核:原子炉超冷中性子源のための基礎要素開発
小角散乱(NVS):国産低メンテナンスコストの速度選別機開発に向けた調査と設計
生物照射:生物照射装置のための新しい生物照射技術の開発
小角散乱(検出器):動的計測を実現する中性子検出器制御システムの開発